文・東川隆太郎 スケッチ・浜地克徳
高いところに登ると世界が見える。と思って陸橋に足をかけたのだが、無言の線路と無表情の街ばかりが広がっていた。いやいや、我慢強く眺めていると、線路に沿いを美人が歩いていたし、街には緑もあった。空だってさっき線路の近くでウロウロしていた時よりも、ずっとずっと近くなった。鈍い音を立てて電車が近づいてくる。ついでに列車も近づいてくる。どっちもこの陸橋から眺めることができる。やっぱりぜいたくな世界がここにあった。

文・東川隆太郎 スケッチ・浜地克徳
高いところに登ると世界が見える。と思って陸橋に足をかけたのだが、無言の線路と無表情の街ばかりが広がっていた。いやいや、我慢強く眺めていると、線路に沿いを美人が歩いていたし、街には緑もあった。空だってさっき線路の近くでウロウロしていた時よりも、ずっとずっと近くなった。鈍い音を立てて電車が近づいてくる。ついでに列車も近づいてくる。どっちもこの陸橋から眺めることができる。やっぱりぜいたくな世界がここにあった。