第16回 谷山電停の踏切

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文・東川隆太郎  スケッチ・浜地克徳

谷山電停の踏切

今でも踏切には電車は走っていない。空から爆弾などが降ってくる不幸な時代の少し前に線路が登場した時には、蒸気機関車が上を走っていた。現在は軽油がエネルギーの列車が、たくさんの人を乗せて走りぬける。その度に遮断機が下りて、行き交う人々は疾走する列車をただ眺めている。私は向こう側に用事がないのに、立ち止まってただ眺めていたこともある。そんな暇のある人間にとってはオアシスといえそうな雰囲気は、決して緩やかではない微妙な高さのスロープが演出している。さらに暇なとき、用事がないのに向こう側に渡ったこともある。ちょっとだけ別な世界にきたような気になった。

谷山電停の踏切