第26回 小山田出張所

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文・東川隆太郎  スケッチ・浜地克徳

小山田出張所

信仰のよりどころの風景である。玄関には石柱がある。背景には山がある。境内には石碑がある。玄関までの坂道を登らなくても、それらすべてがわかる風景である。どこにでもあるようで、どこでもないここ。それは石柱と山と石碑とのゆるやかな坂道の組みあわせ。南無阿弥陀仏を刻まれた石碑には、この地域の信仰の確かさが表現されているようでもある。振り返れば周辺の佇まいにも心ひかれる。川もあるし、別なゆるやかさの坂道もある。どこにでもあるようで、どこでもない風景。初めてこの風景に出合ったとき、僕は近くの田んぼのあぜで、犬のうんこをふんだ。

小山田出張所