鹿児島市出身の地震学者・今村明恒をご存知ですか?

今年7月、鹿児島大学総合研究博物館長・大木公彦教授の講演会に参加しました。

演題は「鹿児島の自然と大災害への備え」。

東日本大震災直後ということもあり、

鹿児島で過去に起こった直下型地震の話、

地震のメカニズムや桜島の話などを交えながらの講演でした。

 

その中で、私がいちばん興味を引かれた話は

鹿児島市出身の地震学者、

今村明恒(いまむら・あきつね)についての話でした。

 

今村は1870(明治3)年鹿児島市新屋敷町に生まれた人物。

東京帝国大学理科大学の助教授時代に

関東大震災がそう遠くない将来に来ること、

地震による火災などで「十万乃至二十万人」の死者が出ることを予測しました。

記事の発表当初は「法螺吹き」扱いされた今村でしたが、

「予知」の18年後の1923(大正12)年、関東大震災が起こります。

 

その後、今村は主任教授となり、

関東大震災の被災地を踏査し、全五巻の報告書をまとめます。

また、震災復興事業の要職にも任命されました。

退官後も、私財を投じて各地に観測所を設置し、

観測データを基に地震予知研究を続けました。

ただ、この研究は日本の戦況の悪化で中止を余儀なくされてしまうのですが……。

 

大木教授の講演会後、今村明恒のことが頭から離れず、

山下文男『君子未然に防ぐ縲恍n震予知の先駆者今村明恒の生涯縲怐x

(東北大学出版会)や吉村昭『関東大震災』(文春文庫)などを手に取りました。

 

大木公彦教授によれば、

「今では地震学を学ぶ人の中でも今村の業績を知る人は減っている。

今村明恒は鹿児島の誇り。皆さん、あちこちで紹介してくださいね」とのこと。

 

そして本日8月31日(水)22時縲怐A

NHK総合「歴史秘話ヒストリア」で

「関東大震災を“予知”した男・今村明恒」

http://www.nhk.or.jp/historia/schedule/index.html

が放送されます。


防災に取り組んだ先人の知恵に、今われわれは注目すべきなのかもしれません。

皆さん、ぜひご覧になってみてください。 (前)